
バブル崩壊後の30年間、日本のサラリーマンの給与水準が上がらないと言われている中で
資産形成を行っていくには長期積立投資が必須だと私は思っています。
長期積立投資が注目されているのは
国が実施しているつみたてNISAの加入者も増加していることからも感じます。
ただ、長期積立投資が一般的になってきているのかというとそうではないと思っています。
知り合いにNISAとかしてる?とか
長期積立投資をしたほうが良いといった話をすると
投資とか危ないでしょ!
リスクは侵さないで大人しく貯金してた方がいいよ!とか
あまりポジティブな反応をされないことも多いです。
貯金だけだとインフレで実質資産は減っていくだけなのに・・・
何もしなくても負けてるというのに・・・
なかなか長期積立投資の必要性って伝わらないな・・・と感じていましたが、
あるとき金融庁が公開している、高校生向けの金融教育資料の中に
その理由についてこれだったのか!腑に落ちる資料がありました。
そしてその資料から導き出した、投資の必要性が伝わらない理由が何なのかというと・・・
DNAのせいだったんです!!
・・・
・・・
・・・
(は!?)
無理やりすぎてネタっぽくなりましたが、
今回の記事を読んだらあながち冗談じゃないと感じるかもしれません。
まじか!?親世代の預金金利は6%そして祖父母世代は・・・
早速金融庁が発行している金融教育指導教育資料のこの部分を見てほしいのですが、

この資料では72の法則という
「元本が1倍になる金利と年数の関係」を簡単に計算できる法則についての
資料なのですが、注目していただきたいのは72の法則ではなく
(72の法則も大事だと思いますが)
親世代の預金金利6%, そして祖父母世代の預金金利8%
だったという部分です。
そして私たちの世代の預金金利はいくつなのかというと0.01%(笑)
上の世代と比べると600-800分の一(泣)
まあこんな悲しい情報はどうでもいいんです。
今回伝えたかったのは私たちの親世代、祖父母世代は投資なんかしなくても
高金利だった貯金さえしていれば、資産はどんどん増えていったということです。
そうですよね・・・そんな状態だったならリスク冒してまで投資をしようと思わないですよね。
今の長期インデックス投資でも平均して年利4-5%と言われているのに、
私たちより上の世代は貯金するだけでその金利よりも多くもらえるなんて・・・
うらやましすぎる・・・
ちなみにこの72の法則を使って元金が2倍になるまでの年数を計算すると
各世代で以下のようになります。
祖父母世代預金金利8%
→元金が2倍になるのに約9年
親世代預金金利6%
→元金が2倍になるのに約11.9年
私たち世代預金金利0.01%
→元金が2倍になるのに約6932年!?
私たちの世代が貯金しても100万円が200万円になるのは6932年後・・・
もはや貯金に増やすという機能はないようなものです。
親子3代の華麗なる貯金人生物語
この世代間の預金金利の差から、私が思う投資の必要性が伝わらない理由を伝えるために
親子3代の人生の物語を作ってみました。
※注:給与水準も物価も違うし金利も変動しているし、脚色もあるので
実際はこんなに単純じゃないと思いますが、私が投資の必要性が伝わらない理由について
腑に落ちたイメージを物語にしていますので、批判はご勘弁ください。
でははじまり、はじまりー--
物語りは祖父母世代がまだピチピチ!?の20代だったころまで遡ります
祖父母世代
(預金金利8% 元手が倍になるのに9年)
(20代)
一生懸命働いてお金を稼ごう。
(30歳)
頑張って働いて稼いだ500万円を貯金しよう。
(39歳)
ありゃ!?500万円貯金してほったらかしてただけで
倍の1000万円になっちゃった。
(48歳)
ありゃりゃ!?またまたほったらかしてただけなのに
2000万円になっちゃった。
(57歳)
どっひゃー!?ほんとほったらかしてただけなのに
4000万円になっちゃった。こりゃー年金もいっぱいあるし老後も安泰だなー
そしてそんな祖父母世代を見て育った親世代はどうなったかというと
親世代(預金金利6% 元手が倍になるのに12年)
(20代)
一生懸命働いてお金を稼ごう
そして親が言っていたようにそのお金を貯金してウハウハだ!
(30歳)
よし!がんばって稼いだ500万円を貯金しよう
(42歳)
よしよし!確かに言われた通りほったらかしてただけで
倍の1000万円になったぞ
(54歳)
よしよしよし!ほんとほったらかしてただけなのに、、
さらに倍!2000万円
(66歳)
よっしゃー!4000万円になっちゃった。
親の言う通り貯金やっててよかった。貯金サイコー!!
年金も十分あるし、ゆるりと老後を過ごそう。
そんな人生サイコー!
そうです祖父母世代、親世代の2代に渡ってDNAにまで深く刻まれた貯金の成功体験。
貯金最高論。これならあえてリスクのある投資なんて必要ないですよね。
だって投資してリスクなんか取らなくても、
貯金してればオールオッケーの素晴らしい成功体験がDNAに刻まれているんだから・・・
でもこのDNAに刻まれた成功体験が後々悲劇を生み出すことに・・・
もう昔と今では預金金利の差があるから貯金ではもうお金は増えないので
貯金だけでなく、多少のリスクは侵してでも投資しないといけない。
そんな論理的説明なんか受け付けなくなってしまったのです。
そして親子2代に渡ってDNAに刻まれた貯金の成功体験を
鵜吞みにしてしまうと・・・
私たちの世代
(預金金利0.01% 元手が倍になるのに6932年)
(20代)
一生懸命働いてお金を稼ごう。もちろん稼いだお金は貯金だ。
投資なんてリスクをとるのは馬鹿らしい。
貯金してれば大丈夫。だって両親もじいちゃんばあちゃんもそう言っている。
貯金こそうまく生きるためのライフハック!
(30歳)
ふー・・・働くのは大変だったけどなんとか稼いだ。
この500万円を貯金しよう。貯金してれば人生安泰だ。
じっちゃんの名に懸けて!!(イミフ)
(40歳)
10年経ったか。どれくらい増えているかな??
(ワクワク・・・)
銀行員:500万5000円です。
え・・・たったの5000円?
10年で5000円しか増えてないぞ??
いやいや、んなわけない。貯金ってすげーんだぞ!
じ、じ・・・じっちゃんの名に懸けて!!
(実はあせってる)
(50歳)
20年経ったんだからすごいことになってるはず・・・
銀行員:501万円です。
うそ!20年で10000円しか増えてないやん!!
さらに倍!じゃなかったの!?はらたいらさん??老後どうすんの!?
60歳で定年退職なんか絶対に無理やん!?
年金も受給開始年齢がどんどん後ろ倒しになるし
何歳まで働けばいいの!?どうすりゃいいの!?
という恐ろしいことに・・・
いやいや気づくの遅いでしょ!!というツッコミは置いといて、
私たちの世代が親世代と同じように貯金だけでやっていこうとすると恐ろしいことになるのがよくわかります。
でもDNAに刻まれた貯金やってれば投資なんて必要ないという考えは中々消せません。
だから投資の必要性が伝わらない理由はDNAのせいといったんです。
あながち間違いじゃないと思いませんか??
私たちの世代には投資が必要
何度も言いますが残念ながら私たちの世代では金利は0.01%です。
それよりよい金利の銀行を探してもネット銀行の定期預金でなんとか0.1%程度です。
親世代のように貯金で6%なんて夢のまた夢。
そんな私たちの世代が親世代のように生きていくためにはどうすればよいのか。
それはリスクを最小限に抑えて少しでも年利のよい投資をすること。
それが貯金だけでお金を増やすことのできない
今の私たちにできることなんじゃないかなと思っています。
そしてその解の一つがオルカンやS&P500に代表される
インデックス投信を用いた長期積立投資なのだと思います。
金利6%にはかなわないかもかもしれないけど、少しでもお金の不安がなくなる人生を歩みたい。
そう思って私は長期インデックス投資をこれからも続けようと思います。
補足
ネタ元の金融庁の高校生のへの金融教育資料がおもしろいなと思ったので
リンクを貼り付けておきます。もし興味がありましたらご覧ください。